皆様、こんばんは。
連日の降雨が過ぎ去り、ようやく春らしい陽気が戻ってまいりました。
それでは今回の投稿にまいりましょう。
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はじめに
さて先日から当ブログでは、スマートフォンにおけるMVNO及び無線通信に関する相違について投稿させていただきました。
<過去記事>
1、無線通信に関する投稿
>無線通信について考えてみよう!「LTE」及び「Wi-Fi」の違いとは?
2、MVNOに関する投稿
>「MVNO」を利用する際の注意点とは?スマートフォンの格安利用について
そこで今回の投稿では、インターネットを利用するための通信手段として、無線通信と双璧を成す有線通信に関する投稿を行ってまいりたいと思います。
有線通信(注:以後は有線接続と表記)とはその名称のように、LANケーブルを介してインターネットと通信端末の間を接続する通信形式となります。
そして現在の主流となっている有線接続の通信形式が「光回線」です。
光回線は光ファイバーと呼ばれるケーブルを用いて、光信号による高速な情報の送受信を行うことができます。
そして光回線を提供する主な通信事業者が以下となります。
<光回線を提供する通信事業者>
1、NTT東日本・西日本
2、KDDI
特にNTT東日本・西日本に関しては、「フレッツ光」という名称で光回線事業における高いシェア率を有しています。
そして2015年2月に、この光回線事業において大きな変革を迎えることとなりました。
これこそが今回のテーマである「光コラボレーションモデル」の提供開始です。
そこで今回の投稿では、上記の「光コラボレーションモデル」に関する説明及び注意点を記載してまいりたいと思います。
それでは本題に入りましょう。
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「光コラボレーションモデル」とは?
1、【ブロードバンド回線の仕組み】
それではまず「光コラボレーションモデル」に関する説明を記載いたします。
皆様はブロードバンド回線を用いてインターネットを利用する際の仕組みをご存知でしょうか?
以下をご覧ください。
<ブロードバンド回線の仕組み>
皆様がパソコン等の通信端末を利用してインターネットへ接続するためには、NTT東日本・西日本等の回線業者と契約したのみではインターネットを利用することができません。
前項で記載した光回線を提供する通信事業者とは、あくまでインターネットを利用するための通信回線を提供するのみであり、皆様がパソコン等の通信端末を利用してインターネットへ接続するためには、接続業者(注:インターネットプロバイダー「ISP」)と契約する必要があります。
インターネットプロバイダーは、皆様が利用するパソコン等の通信端末に固有の識別番号を割り当てながら、インターネットへの接続を行います。
そしてこの固有の識別番号こそが「IPアドレス(Internet Protocol)」と呼ばれるものになるわけです。
まずは上記のブロードバンド回線の仕組みをご理解いただきたいと思います。
2、【光コラボレーションモデルの仕組み】
それでは次に「光コラボレーションモデル」の仕組みに関する説明を記載いたします。
前項で記載したブロードバンド回線の仕組みをご理解いただけましたでしょうか?
前項のまとめとして皆様がパソコン等の通信端末を利用してインターネットへ接続するためには、NTT東日本・西日本等の回線業者及びインターネットへの接続を行うインターネットプロバイダーという2つの業者との契約が必要になるということです。
そしてこれが従来のブロードバンド回線の仕組みでした。
しかしながら近年において、光回線に関する新規契約者数の増加が鈍化するという現象が見受けられています。
>光回線加入者数は2451万件、2013年上期の純増数は66万件で成長鈍化
<ブロードバンドサービスの加入者数>
この現象に関する最大の要因は、「WIMAX」などの高速モバイル通信サービス(注:無線通信サービス)の普及が挙げられます。
光回線等の有線ブロードバンド回線を利用するためには、インターネット回線自体を自宅へ引き込むための工事が必要となり、どうしても費用及び手間が必要となります。
しかし高速モバイル通信サービスを利用する場合は、Wi-Fiルーター等の通信機器を設置するのみで、すぐにインターネットを利用することができるため、費用及び手間という問題を省くことができるわけです。
またかつては無線通信に関する通信状況の不安定度及び通信速度自体の低速度という問題があったモバイル通信サービスですが、近年はモバイル通信サービスに関する左記の問題が解消されつつあるため、高速モバイル通信サービスを利用するユーザーが増加しているわけです。
そして一方、上記のような現象を受けて一番困るのは、光回線を提供する通信事業者(NTT東日本・西日本等)といえます。
そこで考え出されたのが「光コラボレーションモデル」の提供開始というわけです。
そして「光コラボレーションモデル」とは、従来敷居の高い光回線をインターネットプロバイダー等の各通信事業者に卸売することを意味します。
これにより光回線を譲り受けたインターネットプロバイダー等の各通信事業者は、光回線を利用した高速ブロードバンド通信を自社で展開することができるようになりました。
つまり「光コラボレーションモデル」とは、光回線(高速ブロードバンド回線)におけるMVNOということでしょうか。
そして今回の「光コラボレーションモデル」に関する光回線を提供する通信事業者(NTT東日本・西日本等)の狙いは以下でしょう。
<光コラボレーションモデルに関する狙い>
1、光回線の新規契約者数の増加が鈍化する現象に関しての改善
2、顧客争奪に要する費用の削減
3、NTTグループ自体のセット割が可能となる
4、ユーザーサポートに要する費用の削減
特にインターネット上で検索しますと、上記の内で3の項目に関する狙いが大きいようです。
なぜならNTTグループは通信業界において圧倒的に高いシェア率を有しているため、電気通信事業者法という法律で様々な規制を受けており、NTTグループ内で連携して通信サービスを提供するということができないのだそうです。
しかし光回線を提供するNTT東日本・西日本がNTTグループ以外の各通信事業者に光回線の卸売りを始めることで、NTTグループ内の通信事業者、とりわけNTTドコモに対する光回線の卸売りが可能となることでモバイル通信サービスで高いシェアを有するNTTドコモのセット割が可能となるようです。
つまりNTTグループとしては、高速ブロードバンド回線及びモバイル通信サービスという2つ通信分野で、高いシェア率を獲得及び維持という思惑があるのでしょう。
3、【「光コラボレーションモデル」に関する契約形態】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に関する契約形態ついて記載してまいります。
「光コラボレーションモデル」に関する契約形態には、大きく分けて2種類に分類することができます。
以下をご覧ください。
<「光コラボレーションモデル」に関する契約形態>
1、新規
光回線を介したインターネットの利用を新規に開始するための契約形態です。
光回線を新規に利用するためには、光ファイバーケーブルをお住いの住宅に引き込む必要があるために、特に一戸建ての住宅に関しては別途工事費が発生します。
なおマンション等の集合住宅に関しては、光回線をVDSL方式*1で接続する場合があり、この場合はすでに光ファイバーケーブルが集合住宅まで引き込まれているため、工事費が発生しない場合もあります。
2、転用
すでに光回線を介したインターネットの利用している方が「光コラボレーションモデル」へ変更する際の契約形態です。
基本的には光回線を提供する通信事業者(NTT東日本・西日本等)が変更になるのみですから、工事費等の費用が発生しません。
ただし「光コラボレーションモデル」へ変更する際に、インターネットへの接続を行う接続業者自体を変更したり、光回線自体のプランを変更する場合は違約金や工事費が発生します。
「光コラボレーションモデル」に関する契約形態に関しても、ぜひ覚えておいてください。
以上が「光コラボレーションモデル」に関する記載です。
「光コラボレーションモデル」に関するメリット
1、【月額利用料が安くなる】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に関するメリットを記載してまいります。
まず初めに記載できるメリットは、光回線を利用する際の月額利用料が安くなるということです。
インターネットプロバイダー等の各通信事業者に光回線を卸売りして自社展開が可能になるということは、当然のことながら利用ユーザーを獲得するために、価格競争が激しくなることが予想されるでしょう。
もともと従来のブロードバンド回線の仕組みでは、光回線を提供する通信事業者に支払う利用料金が大きいため、左記の利用料金に関して光回線を譲り受けたインターネットプロバイダー等の各通信事業者が決定できることは大きな意味があるといえるでしょう。
2、【サポート体制及び利用料金の一元化】
それでは次にサポート体制及び利用料金の一元化ということです。
先に記載した画像をもう一度ご覧ください。
<ブロードバンド回線の仕組み>
従来のブロードバンド回線の仕組みでは、光回線を提供する回線業者及びインターネットへの接続を行う接続業者が存在するため、ユーザーは利用料金及びサポート体制に関して別々に対応する必要がありました。
しかし「光コラボレーションモデル」では、光回線を提供する回線業者とインターネットへの接続を行う接続業者が同一となるために、利用料金及びサポート体制に関しても一元化することができるというメリットがあります。
以上が「光コラボレーションモデル」のメリットに関する記載です。
「光コラボレーションモデル」に関するデメリット
1、【サービス提供者が変更となる】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に関するデメリットを記載してまいります。
前項で「光コラボレーションモデル」のメリットとして、光回線を提供する回線業者とインターネットへの接続を行う接続業者が同一となるために、利用料金及びサポート体制に関しても一元化することができると記載しましたが、左記によりデメリットが生じる場合があります。
例えば光回線に付帯されている「オプションサービス」がその1例となるでしょう。
光回線に付帯されているオプションサービスの1つに「ひかり電話」というオプションがありますが、この「ひかり電話」は「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者によって提供されない場合があります。
そのため「光コラボレーションモデル」変更後に「ひかり電話」というオプションサービスを継続する場合には、引き続き光回線を提供する回線業者が「ひかり電話」というオプションサービスを提供することになるため、結局は利用料金に関して一元化できないということになります。
2、【料金が発生する場合がある】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に変更する場合に料金が発生する場合があるということです。
前項まで記載したように「光コラボレーションモデル」は、光回線を提供する回線業者及びインターネットへの接続を行う接続業者が同一となります。
そのためすでに現時点で光回線を利用しているユーザーは、従来のブロードバンド回線の仕組みでインターネットを利用しているということになります。
従来のブロードバンド回線の仕組みでは、光回線を提供する回線業者及びインターネットへの接続を行う接続業者が異なっているため、例えば現在利用しているインターネットへの接続を行う接続業者が提供する「光コラボレーションモデル」に変更する場合は問題はないはずです。
しかし「光コラボレーションモデル」に変更する場合に、インターネットへの接続を行う接続業者自体を変更する場合は、例えば「自動更新割引」のようなサービスに加入している際に解約金等の料金が生じる可能性があることをご注意ください。
また同様に光回線自体のプランを変更する場合に関しても、別途工事費が発生します。
3、【既存のメールアドレスが使用できなくなる】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に変更する場合に、既存のメールアドレスが使用できなくなることがあるということです。
すでに現時点で光回線を利用しているユーザーの中には、インターネットへの接続を行う接続業者(注:インターネットプロバイダー)から付与されるメールアドレスを利用されている方もおられると思います。
しかし光コラボレーションモデル」に変更する場合に、インターネットへの接続を行う接続業者自体を変更する場合は、上記のメールアドレスが利用できなくなることをご理解ください。
なおこの問題を解決するためには、日ごろからインターネットへの接続を行う接続業者(注:インターネットプロバイダー)から付与されるメールアドレスを利用するのではなく、フリーメール*2を利用しておきましょう。
4、【再転用はできない】
それでは次に「光コラボレーションモデル」に関する再転用はできないということです。
前項で記載しましたが、すでに光回線を介したインターネットの利用している方が「光コラボレーションモデル」へ変更することを「転用」と呼びます。
「転用」は光回線自体のプランを同一にするのであれば、基本的に別途料金が発生することはありませんが、注意しなければならないことが1つあります。
それは現時点で「光コラボレーションモデル」へ転用後に、再度別の通信事業者が提供する「光コラボレーションモデル」や大元の光回線を提供する通信事業者(NTT東日本・西日本等)への「再転用」はできないという点です。
仮に「光コラボレーションモデル」へ転用後に、再度別の通信事業者が提供する「光コラボレーションモデル」や大元の光回線を提供する通信事業者(NTT東日本・西日本等)へ変更する場合は、光回線自体の契約を一度解除してから新規契約という流れになることを覚えておいてください。
この場合、光回線自体の契約が新規という形式になるために、解約金や工事費という費用が発生する場合があります。
つまり「光コラボレーションモデル」に転用するということは、現時点では「光コラボレーションモデル」を提供する通信事業者を使い続けるということを前提としなければいけません。
従来のブロードバンド回線の仕組みでは、光回線を提供する回線業者及びインターネットへの接続を行う接続業者が異なっているため、例えばインターネットへの接続を行う接続業者(インターネットプロバイダー)を変更するということが簡単に可能でしたが、「光コラボレーションモデル」に関しては、左記についても困難になるということをご理解ください。
以上が「光コラボレーションモデル」のデメリットに関する記載です。
「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者
1、【利用してはいけない通信事業者】
それでは最後に「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者について記載いたします。
「光コラボレーションモデル」は2015年2月から正式提供が開始となりました。
前項で記載したように、「光コラボレーションモデル」は光回線を提供する回線業者及びインターネットへの接続を行う接続業者が同一となるために、利用するユーザーにとってもメリットになる部分は大きいですが、逆をいえば「光コラボレーションモデル」を提供する通信事業者をしっかりと見極める必要があります。
以下をご覧ください。
<U-NEXT及びHi-Bitに関する指導>
1、U-NEXT
・指導内容
>光アクセス回線サービスの卸売を受けて提供するサービスへの転用に係る販売勧誘方法についての株式会社U-NEXTに対する指導
・ユーザーの被害相談
2、Hi-Bit
・指導内容
>光アクセス回線サービスの卸売を受けて提供するサービスへの転用に係る販売勧誘方法についての株式会社Hi-Bitに対する指導
・ユーザーの被害相談
上記は「光コラボレーションモデル」の提供に関して、不適切な勧誘方法が認められたということで、総務省から指導を受けた2つの通信事業者に関する実例です。
まず「U-NEXT」という通信事業者はスマートフォンにおけるMVNO「 U-mobile」の運営元であり、「Hi-Bit」という通信事業者はインターネットプロバイダー「Toppa!」の運営元です。
上記をご覧になると理解できると思いますが、どちらの通信事業者に関しても、ユーザーに「光コラボレーションモデル」に関する勧誘を行う際の説明が不十分であり、ユーザーが「光コラボレーションモデル」に変更することへの理解が不十分なままで手続きが進んでしまっていることが挙げられます。
特に「U-NEXT」に関しては、「光コラボレーションモデル」に転用する際に必要となる「転用承諾番号」をユーザーに無断で取得するという詐欺的な行為を行っております。
そのため皆様におかれましては、このようなユーザーへの説明責任を十分に果たすことができない通信事業者、あるいはユーザーの個人情報を無断で使用するような通信事業者を利用することがありませんように、十分にご注意ください。
また特に上記の2つの通信事業者「U-NEXT」及び「Hi-Bit」に関しては、すでに「光コラボレーションモデル」の提供を開始していますが、このような通信事業者は行政機関から一度指導を受けたのみで改善される可能性は低いと思います。
そのため今後「光コラボレーションモデル」を利用する方は、上記の2つの通信事業者に関して利用されないことをお勧めしておきます。
2、【「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者一覧】
それでは次に「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者一覧について記載いたします。
現時点で「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者は、すでに数多く存在して各通信事業者が提供する光回線プランも多岐にわたっています。
そのため皆様におかれましても、ただ利用料金が安いというだけでなく、皆様のインターネットに関する利用用途や皆様が信頼する通信事業者を考慮したうえで、慎重に選択されることをお願いいたします。
例えばインターネットへの接続を行う接続業者が提供する「光コラボレーションモデル」の場合、光回線自体の品質は変わりませんが、インターネットプロバイダーとしての通信設備が貧弱な場合は、光回線に関する通信速度の低下を招くこともあるでしょう。
重ねて申しますが、「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者の選択は慎重に行ってください。
それでは「光コラボレーションモデル」を提供する各通信事業者一覧です。
上記のページには主要な「光コラボレーションモデル」を提供する通信事業者が記載されています。
ご興味がある方は一度アクセスしてください。
あとがき
さて今回の投稿は以上となります。
今回の投稿で記載する記事以外のスマートフォン情報に関連する記事に興味がある方は、ぜひ一度以下のスマートフォン情報に関連する記事のまとめを参照してください。
<スマートフォン情報に関連する記事のまとめ>
1、URL
それでは以上です。