インターネット掲示板で問われるモラルとは?IPアドレスを利用した個人情報の取得について

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皆様、こんばんは。

本日は過ごしやすい陽気の金曜日となりました。

それでは今回の投稿にまいりましょう。

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はじめに

さて現在のインターネット掲示板においては、利用するユーザーのモラルが問われるべき事例がいくつも発生しています。

まずは以下の記事をご覧ください。

佳子さま脅迫、容疑で男逮捕=2ちゃんねるに危害書き込み―警視庁


<引用>

秋篠宮ご夫妻の次女佳子さま(20)に危害を加える書き込みをインターネット上にして、皇宮警察に警戒を強化させたとして、警視庁捜査1課は21日、偽計業務妨害容疑で、無職池原利運容疑者(43)=東京都新宿区大久保=を逮捕した。容疑を一部否認し、「警察の業務を妨害するとは思っていなかった」と供述している。  逮捕容疑は今月16日午後、自宅でiPad(アイパッド)から、インターネット掲示板「2ちゃんねる」に佳子さまを名指しし、「逆らえないようにしてやる」「(佳子さまの大学には)同志の仲間がたくさんいる」などと投稿。皇宮警察に通常の2?3倍の警戒態勢を敷かせるなどした疑い。  同課によると、警視庁は17日に書き込みを把握し、IPアドレスから池原容疑者が浮上、裏付け捜査を進めていた。同容疑者は掲示板で自身の投稿が報道されていることを知り、20日夜に同庁新宿署に出頭してきたという。「スレッドを盛り上げるための悪ふざけだった」と話している。


これはインターネット掲示板「2ちゃんねる」に皇族の女性を脅迫する書き込みを行い、偽計業務妨害容疑で警視庁に書き込みを行ったインターネットユーザーが逮捕されたという事件です。

TVニュースでも扱われた事件であるため、当記事をご覧の皆様の中にもご存知の方がおられるのではないでしょうか。

警視庁に逮捕されたインターネットユーザーは「スレッドを盛り上げるための悪ふざけだった」と供述しているようですが、インターネット掲示板という共有の場所で行う悪ふざけとしては、少々度が過ぎていたのではないかと思います。

また以下に今回の事件で逮捕されたインターネットユーザーの書き込み内容を抜粋しましたのでご覧ください。

韓国のネット新聞が暴言「佳子(内親王)を慰安婦にしよう! あと、日本は東京五輪までに消滅する」


<引用>

1、書き込み画像1

2、書き込み画像2

3、書き込み画像3

4、書き込み画像4

5、書き込み画像5


以上が今回の事件で逮捕されたインターネットユーザーがインターネット掲示板「2ちゃんねる」に書き込んだ内容となります。

この書き込みを拝見した皆様は、どのように感じますでしょうか?

個人的には脅迫した相手が皇族ということに興味がありませんが、普通の女性がこのような事を書き込められた仮定した場合、おそらく書き込まれた女性は不快感及び恐怖感に囚われることになるでしょう。

このように現在のインターネット掲示板においては、悪ふざけと称して特定の個人及び団体等を誹謗中傷するための書き込みを行うインターネットユーザーが後を絶ちません。

そしてこのような書き込みを行うインターネットユーザーの中には、インターネット掲示板が匿名で書き込みを行うことができる場所という間違えた認識を有するインターネットユーザーが存在することも確かです。

しかしながら、本当にインターネット掲示板は、匿名で書き込みを行うことができる場所でしょうか?

そこで今回の投稿では上記の事件を例に挙げながら、インターネットという世界が決して匿名ではないということを、警告の意味を込めて記載してまいりたいと思います。

それでは本題に入りましょう。

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IPアドレスを利用した個人情報の取得

1、【IPアドレスとは?】

さて前項のURLで引用したように、今回の事件では警視庁が17日に書き込みを把握して、「IPアドレス」から容疑者を特定したという記載があります。

当記事をご覧の皆様は「IPアドレス」というものをご存知でしょうか?

そこで「IPアドレス」をインターネット上で検索しますと、「インターネット上における住所」と表現されることが多いはずです。

そして逆に言い換えますと「IPアドレス」がなければインターネットを利用することができません。

皆様がインターネットを利用する場合、インターネットを利用するためのパソコン等の通信機器及びインターネット回線、そしてプロバイダーという3つの条件が必要となります。

なお先月に投稿させていただいた「光コラボレーションモデル」とは、上記のインターネット回線及びプロバイダーという別々の条件を1つのプロバイダーサービスで契約することができるというモデルです。

そして上記のインターネットを利用するための3つの条件において、「IPアドレス」に深く関与する条件がプロバイダーとなります。

また「IPアドレス」を説明するうえで、以下の2種類の「IPアドレス」をご理解ください。


<IPアドレスの種類>

1、グローバルIPアドレス

インターネット上で割り当てられるIPアドレス

2、ローカルIPアドレス

ローカルエリア上で割り当てられるIPアドレス*1


そして今回の投稿では、特にグローバルIPアドレスに着目します。

このグローバルIPアドレスは、皆様がインターネットを利用する際に契約しているプロバイダーから付与されるものであり、皆様がインターネット上の各サイトへアクセスする際に必ず必要となるものです。

例えば皆様が当ブログへアクセスする場合、「www.japan-secure.com」とWebブラウザのアドレス欄に入力すると、当ブログへアクセスすることができます。

しかしながら、インターネット上における通信とは、上記のような文字のやり取りではありません。

それではなぜWebブラウザのアドレス欄に「www.japan-secure.com」と入力すると、当ブログへアクセスすることができるのかといいますと、皆様がWebブラウザのアドレス欄に「www.japan-secure.com」と入力後に、プロバイダーが「www.japan-secure.com」という文字をIPアドレスに変換して、当ブログへ接続するという仕組みとなるからです。

以下をご覧ください。

サイト https://www.japan-secure.com/ の調査結果

これは「aguse.jp」による当ブログの調査結果となりますが、画面内にIPアドレスが記載されているはずです。

つまり皆様がWebブラウザのアドレス欄に「www.japan-secure.com」と入力すると、プロバイダーが「www.japan-secure.com」という当ブログのコンテンツが設置されているサーバーのIPアドレスに変換して当ブログへ接続してくれるというわけです。

そしてプロバイダーによる「www.japan-secure.com」のようなURLとIPアドレスとの間を変換する仕組みを「DNS (Domain Name System)」と呼びます。

以上のことから「IPアドレス」のことを「インターネット上における住所」と表現される理由になるのです。

2、【IPアドレスから個人情報を取得する仕組み】

さて前項では「IPアドレス」に関する説明を記載しました。

それでは次に「IPアドレス」から個人情報を取得するための仕組みを考えてみましょう。

前項において記載しましたが、「IPアドレス(グローバルIPアドレス)」とは、プロバイダーによって付与されるものです。

つまり「IPアドレス」に関する使用履歴に関しては、プロバイダーによって記録及び管理されていることご理解ください。

そこで今回の事件を例に挙げますと、警視庁はまず書き込みを行ったインターネットユーザーの「IPアドレス」を取得するために、書き込みが行われたインターネット掲示板の管理者に対して書き込みを行ったインターネットユーザーに関する「IPアドレス」の情報開示を求めます。


<ワンポイントアドバイス>

「IPアドレス」に関してサイト管理者である場合、特に複雑な手段を要することもなく取得することができます。

以下をご覧ください。


<当ブログのコメント履歴>


この画像は当ブログの管理画面におけるコメント履歴となりますが、黒色で消去している項目にコメントをいただいたユーザー名及びユーザーのIPアドレスが記載されています。


そして次に警視庁は書き込みが行われたインターネット掲示板の管理者から取得したインターネットユーザーの「IPアドレス」をもとに、「IPアドレス」を付与したプロバイダーを特定します。


<ワンポイントアドバイス>

「IPアドレス」からプロバイダーを特定することは、誰でも行うことができます。

例えば以下のサイトにアクセスしてください。

あなたの情報(確認くん)

このように皆様のIPアドレス及びプロバイダーが簡単にわかることがご理解できると思います。


そして最後に警視庁は「IPアドレス」から特定されたプロバイダーに対して、インターネット掲示板へ書き込みが行われた時間をもとに、対象の「IPアドレス」を利用したインターネットユーザーに関する個人情報の開示を求めるという流れになります。

以上が「IPアドレス」から個人情報を取得する仕組みです。

3、【公的機関によるIPアドレスからの個人情報の取得について】

それでは最後に警察等の公的機関によるIPアドレスからの個人情報の取得について記載してまいりたいと思います。

一般的に個人の場合は「IPアドレス」から個人情報を取得することは困難といわれていますが、警察等の公的機関の場合は左記の状況が全く異なります。

特に警察のような捜査機関の場合、公的な捜査権が認められているため、捜査を目的とした「捜査令状」あれば、プロバイダーも情報開示しなければならないという強制力があるということをご理解ください。

公的機関によるIPアドレスからの個人情報の取得に関する記載は以上です。

あとがき

さて今回の投稿は以上となります。

今回の投稿のまとめとして前項まで記載したように、インターネットという世界は決して匿名ではありません。

特に今回の事件の場合、悪ふざけと称したインターネットユーザーによるインターネット掲示板への書き込みが、大変な事態を引き起こしてしまったという事例となり得ることでしょう。

そして今回の事件を契機としてインターネットを利用する我々ユーザーが、もう一度インターネット利用に関するモラルというものを考え直す必要があるのではないでしょうか。

なお今回の投稿で記載する記事以外のセキュリティソフトの使い方に関連する記事に興味がある方は、ぜひ一度以下のセキュリティソフトの使い方に関連する記事のまとめを参照してください。


<セキュリティソフトの使い方に関連する記事のまとめ>

1、URL

セキュリティソフトの使い方に関連する記事のまとめ


それでは以上です。

*1:注:今回の投稿では直接的に関係ありませんが、ルーター等を使用して自宅及び企業で複数の通信機器により構築されたネットワーク内で割り当てられるIPアドレスです